犬の病気や怪我、慌てず対処できるように症状や応急処置について(出血・外傷、骨折、火傷、痙攣・発作、呼吸困難、日射病・熱射病)

● 慌てなければ自分で助けられるはず!

愛犬が毒物を飲んでしまった!怪我をしてしまった!・・・
犬と暮らす毎日を送っていくとどんだけ気をつけていても、何人で注意していても、
怪我や病気に突然、見舞われる状況は必ずあると思っていたほうがいいです。

そんな時に知っていれば酷くならなくて済んだかもしれない・・・

対応ひとつで痛い思いが少しでも軽くなったかもしれない・・・

愛情込めて接していればいるほど、もしものときには慌ててしまいます。
だからって何も出来ない、しない、というのは自分自身も許せなくなってしまします。


慌てるでしょうけど、少しでも冷静に的確な処置をすれば軽度で済む場合が多々あります。

慌てないようにとは言えません。知識を持つことで少しでも冷静に処置をしてあげてください。
責任は重大ですが、事前に知っておくことで助かる命があります。

このページではまず、出血・外傷、骨折、火傷、痙攣・発作、呼吸困難、日射病・熱射病について。

● 慌てなければ自分で助けられる応急処置(その壱)

【出血・外傷】
◆出血がひどくない場合
出血が多くなければまず水で洗い流してあげましょう。
怪我がひどく見えても出血が少ない場合はすぐに水で洗って汚れを落とすことが重要です。
そのまま血が止まって綺麗に固まりそうなら家で様子をみましょう。

◆出血がひどい場合
出血がひどい場合は何はともあれ動物病院へ急ぎます。
その際、出血している部分にばい菌が入らないようガーゼなどの清潔な布で押さえながら運びます。
傷に触れる時、痛みでいぬが噛む場合もがあるので注意が必要です。

けがの場合、傷を受けてから遅くとも6時間以内に治療を受けるのがいいとされています。

【骨折】
犬の骨折は家で手当できるように思えても、必ず動物病院で状態を検査してもらいましょう。
単純な骨折に見えても実際は違っていたりして、素人判断は危険です。
ケージがあればケージで、ない時は布担架を利用して運びます。
ケージがない、または嫌がって中に入らない場合や自分で歩きたがるようなら
骨折した脚を大きなタオルの上に乗せて衝撃が伝わらないようにして支えます。
歩けない(歩きたがらない)場合は毛布を担架代わりにして運ぶ方法が簡単です。
仔犬や小型犬の場合は毛布で包んでしっかり抱っこして運ぶようにしましょう。

骨折が起こると、骨折した骨のまわりが腫れ、熱や痛みをもちます。
いつもはおとなしい犬さんも、骨折の痛みで興奮して我を忘れていることが少なくありません。
たとえ飼い主であっても噛まれないよう十分に注意してください

【ヤケド】
犬が火傷するのはひどい症状なケースが多いです。
電撃による火傷の場合もすぐ動物病院へ連れて行ってあげてください。
熱いモノに触れた場合や電線を噛んで火傷を負うなど電撃による部分火傷の場合でも
その部位を綺麗に水で洗うだけで、すぐに動物病院に連れていってください。

ショック状態になっている場合はまずその様子を獣医師などに電話で伝え、
適切な処置の指示を獣医師に仰きながら搬送してください。

【痙攣・発作】
慌ててしまいますが、そっとしてあげるのが重要です。
腕で抱えて、又は毛布の上に寝かせて安静の状態をまずはキープ。
きつく抱き締めたり揺すったりしては絶対に駄目です。(後遺症や重症になりがちです)
このとき、暴れて怪我をしないよう、壁や家具から犬を遠ざけておきましょう。
そのままあわてず冷静に様子を見ます。
「舌が喉に入らないように引き出す」と言われますが、
犬の場合は特に難しいので自信がない人は無理に行なわないほうがいいです。
又、痙攣や発作は普通、長く続く症状ではありませんので病院に着くまでに収まることが多いです。

発作の原因で多いのは鉛や毒物による中毒、てんかん、脳腫瘍など。
出産直後の母犬は低カルシウム血症、仔犬は低血糖で発作を起こしやすいと言われています。
それぞれカルシウムや砂糖水などを与えてあげれば落ち着くそうです。

【呼吸困難】
呼吸困難の症状は日射病によく似ています。
ハアハアと苦しそうに呼吸するのはどちらにも共通の症状ですが、
この場合、いぬの舌の色を確認してみて舌の色が悪い時は呼吸困難が考えられます。
もともと心疾患がある犬に多い病気です。
犬座姿勢(4つ脚でおすわりの姿勢)にしてそっと病院へ運びます。
決して犬を仰向けにしないようにして下さい。
抱き抱える場合も胸部を圧迫しないように気を付けて下さい。
万が一、呼吸や心肺停止に陥った場合には、人工呼吸や心臓マッサージをしながら病院へ。
二人以上で行動すると安心です。

犬への人工呼吸はいぬの鼻に人の口を付けて行います。
犬の心臓マッサージはいぬの胸の壁を押しならが圧迫するようにします。
小型犬なら片手で胸をつかむ感じで、大型犬なら片手で胸を押すように圧迫します。

【日射病・熱射病】
息がハアハアと荒くなり舌が真っ赤になって、体が熱くなっているような状態です。
ひどくなると意識が朦朧となり、立っていることができず体を横たえてしまいます。
日射病や熱射病は真夏だけの病気ではありません。
5月頃でも気温の高い日には、日射病や熱射病になるいぬは少なくありません。
又、日中の気温が夜になっても下がらず熱射病になるケースもあります。

日射病にかかったら病院へ連れていくより、一刻も早く冷やすことがポイントです。
体温を下げるには犬の足から水につけてやるのが効果的。クーラーの冷気ではすぐに身体は冷えません。
水につけて呼吸が落ち着いたところで、今度は濡れタオルにくるんで動物病院へと運びます。

犬の日射病・熱射病は飼い主が気をつける事で予防が可能です。
水を多めに与え、必ず日陰になる場所を作っておきましょう。
夏は絶対に車の中にペットを置いたままにしないようにしてください。